髪はどうやって生えてくるの?

髪と頭皮の豆知識 公開日 2026.11.06|最終更新日 2026.11.06|執筆:峠 麻衣子(毛髪診断士 指導士)
髪と頭皮の豆知識のイメージ
この記事のポイント髪は、頭皮の中にある「毛包(もうほう)」という小さな袋の奥でつくられます。毛包の底にある毛乳頭(もうにゅうとう)から合図を受けた毛母細胞(もうぼさいぼう)が増えることで、髪が押し上げられて伸びていきます。髪には寿命があり、一定の期間がたつと抜けて、同じ毛包からまた新しい髪が育つことをくり返しています。

毎日あたりまえのように伸びている髪の毛。でも「そもそも髪はどこで、どうやってつくられているの?」と聞かれると、意外と答えにくいものです。抜け毛や髪の細さが気になり始めたとき、まず髪が育つ仕組みを知っておくと、自分の頭皮で何が起きているのかを落ち着いて考えやすくなります。

この記事では、CAREERでお客様からよくいただく「髪ってどうやって生えるの?」という疑問に、できるだけやさしい言葉でお答えします。

こんなお悩みはありませんか?

  • 髪がどこでつくられているのか、実はよく知らない
  • 抜けた髪の毛穴から、また髪が育つのか不安
  • 最近、髪が細く短くなってきた気がする
  • 頭皮ケアを始める前に、基本の仕組みを知っておきたい

髪は頭皮の中の「毛包」という袋でつくられます

私たちが目にしている髪の毛は、頭皮の外に出ている部分です。その根もとは頭皮の中にもぐっていて、「毛包(もうほう)」という細長い袋のようなものに包まれています。

髪は、この毛包のいちばん奥でつくられます。頭皮の表面にある「毛穴」は、毛包の出口にあたる部分です。つまり、毛穴の奥には髪をつくる小さな工場のようなしくみがある、とイメージすると分かりやすいでしょう。

用語メモ|毛包(もうほう):髪の根もとを包んでいる、頭皮の中の細長い袋のようなもの。髪はこの袋の奥でつくられます。

毛乳頭と毛母細胞が、髪を育てる主役です

毛包のいちばん底には「毛乳頭(もうにゅうとう)」という部分があり、そのまわりを「毛母細胞(もうぼさいぼう)」が取り囲んでいます。

毛母細胞は、細胞の数を増やしていくことで髪の毛をつくります。新しくつくられた部分が下から次々と積み重なるため、髪は上へ上へと押し上げられ、頭皮の外へ伸びていきます。毛乳頭は、毛母細胞に「髪をつくりなさい」という合図を送る、司令塔のような役割をしています。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性型脱毛症の仕組みとして、男性ホルモンから変化した物質が毛乳頭の細胞に働きかけ、毛母細胞が増えるのをおさえてしまうことが説明されています。それだけ毛乳頭と毛母細胞は、髪の育ち方に深く関わっているのです。

用語メモ|毛母細胞(もうぼさいぼう):毛包の奥で数を増やし、髪の毛そのものをつくる細胞。髪の「材料をつくる職人」のような存在です。

髪には寿命があり、抜けてはまた育つことをくり返します

髪は一生伸び続けるわけではありません。ぐんぐん伸びる時期、成長がゆるやかになって止まる時期、休んで抜け落ちる時期をくり返していて、これを「毛周期(もうしゅうき)」といいます。

MSDマニュアル家庭版によると、髪が伸びる「成長期」は2〜6年、成長が止まる「退行期」は約3週間、休む「休止期」は約2〜3か月とされています。休止期の髪が抜けたあとも、毛包が残っていれば、同じ場所でまた新しい髪が育つ準備が始まります。

そのため、正常な状態でも1日に50〜100本ほどの髪が抜けるのはふつうのことです。ブラシや排水口の髪を見て驚いても、まずは慌てなくて大丈夫です。

用語メモ|毛周期(もうしゅうき):髪が「伸びる→止まる→休んで抜ける」をくり返すサイクルのこと。ヘアサイクルともいいます。

髪が細く短くなるのはなぜ?

「最近、髪にコシがなくなった」「細くて短い毛が増えた」と感じる方もいらっしゃいます。ガイドラインでは、男性型脱毛症では成長期が短くなり、髪が十分に育つ前に抜けてしまうため、前頭部や頭頂部の毛が細く短くなっていく(軟毛化)と説明されています。

女性の場合も、頭頂部の広い範囲で髪が薄くなる「女性型脱毛症」があります。ほかにも、甲状腺などのホルモンの異常、鉄や亜鉛の不足などの栄養の問題、薬の影響など、抜け毛にはいろいろな原因が考えられます。原因によって向き合い方が変わるため、気になる変化が続くときは医療機関で相談することも大切です。

用語メモ|軟毛化(なんもうか):太くしっかりした髪が、細く短いうぶ毛のような髪に変わっていくこと。

髪が育つ土台のために、自宅でできること

  • 1日50〜100本程度の抜け毛は正常な範囲と知っておき、本数だけで不安になりすぎないようにする
  • 主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を心がける(特定の食品だけで髪が増えるわけではありません)
  • シャンプーは指の腹でやさしく洗い、頭皮を清潔に保つ
  • 髪を強く引っぱる結び方や、毎日同じ位置できつく結ぶヘアスタイルを続けないようにする
  • 分け目や生え際をときどき鏡で見て、変化に早めに気づけるようにする

よくある質問

髪が抜けた毛穴から、また髪は育ちますか?

毛周期の休止期を終えて抜けた髪の場合、毛包が残っていれば、同じ場所で新しい髪が育つ準備が始まります。ただし、薄毛の種類や原因によって状態は異なり、個人差もあります。気になる変化が続くときは、皮膚科など医療機関にご相談ください。

1日に何本くらい抜けるのはふつうですか?

MSDマニュアル家庭版では、正常でも1日に50〜100本程度の髪が抜けるとされています。季節や体調で感じ方が変わることもありますが、急に大きく増えた、円形に抜けたなどの場合は医療機関への相談をおすすめします。

髪をつくっているのは毛根のどの部分ですか?

毛包のいちばん奥にある毛母細胞が数を増やすことで、髪がつくられます。その働きに合図を送っているのが毛乳頭です。

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※サロンの頭皮ケアは美容を目的としたもので、医療行為や発毛治療ではありません。

参考文献

峠 麻衣子(Maiko)
執筆・監修:峠 麻衣子(Maiko)|株式会社カリア 代表
美容師 国家資格・理容師 国家資格・毛髪診断士 指導士サロンワーク23年。マイクロスコープによる頭皮チェックと、薬を使わない頭皮ケアのご提案を行っています。
※本記事は医師による医学的監修を受けたものではありません。プロフィールを見る

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掲載内容は一般的な情報で、効果・実感には個人差があります。急な抜け毛や、赤み・かゆみ・痛みが続く場合は、皮膚科などの医療機関にご相談ください。